FRANCE2 JOUNAL20H(4/9/1997)より

　フランスで最も人気のあるニュースキャスターのブリュノ・マジュールが、５０歳の誕生日を９日後に控えた１０月６日を最後に、国営テレビ・フランス２・２０時のニュースの司会を退いた。　ブリュノ・マジュールは、ＴＦ１の政治記者を皮切りにジャーナリストとしてのキャリアを積み、１９８４年からＴＦ１のニュースキャスターを務めた後、1990年にフランス２に移って、看板ニュース番組である２０時のニュースの司会を務めて人気を博してきた。　この間、テレビジャーナリズムに関する著書も４冊発表している。彼の突然の降板をフランス２が発表して以来、視聴者の間では、「何故？」という声が絶えず、降板の理由をめぐって憶測がとびかった。　

これについて、ＴＦ１からフランス２に移籍してきた大物女性キャスター・ベアトリス・ションベルグが２０時のニュースを担当することになるのは既定路線だったので、残るひとつの椅子をめぐって、ブリュノ・マジュールともう一人の男性キャスター・ダニエル・ビラリアンのどちらか一人ということになった結果、番組の中で時にウイットに富む私的コメントを挿入するブリュノが、番組編集責任者からは嫌われ、降板させられたのではないかとも言われている。

　なお、最近の世論調査において、フランス人の７７％が、ブリュノ・マジュールがフランス２・２０時のニュースの司会を続けることを望んでいるという結果が出た。　大物政治家がスタジオゲストとして登場する際も臆することなく、的を得た質問を投げかけるブリュノの降板を惜しむ声は大きく、今後、どこに活躍の場を見いだすか注目されている。

　フランスの数あるニュース番組の中でも最も質の高い報道内容を誇るフランス２のニュースの中でも黄金の時間帯の２０時のニュースは、衛星放送を通じて日本で日常的に視聴できる唯一のフランスのテレビ番組でもある。　ブリュノ・マジュールの今回の突然の謎の降板には、日本の視聴者もがっかりしていることだろう。

新学期のニュースを伝えるBruno Masure

このページの画像は，新学期の日（1997年9月4日）に夜8時のニュースを見ていた際に室内をホームビデオで撮影したものからテレビ画面の部分のみを切り取ったものです。