（これはNiftyのフランス語会議室で行った発言やコメントを書き直したものです。）

子供の学校は秋休みでリュベロン地方へドライブ。おりしもストライキでガソリンスタンドが軒並み閉店。そんなニュースを知らずに呑気にドライブをしていた私たちは...

フランスの学校は、秋の休みに入りました。

日本ですと、「１０月２５日から１１月３日まで休み」と表現しますが、フランスでは、「１０月２４日の学校の後の夕方から、１１月４日の朝まで休み」と表現されています。

長距離トラック運転手(routier)のストが予定されていることなど全く知らず、万聖節(Toussaint)の週末に、リュベロンをドライブしていた呑気な一家の話。

金土日と、ビュウックス(Buoux)村の民宿に泊まりました。　宿のご夫妻のご長男ピエル・ジャン君と、我が家の長男はすっかり仲良くなって一緒に楽しそうに遊んでいました。　同時に喧嘩(bagarre)も...。　

さて、１１月３日月曜日、昼前に、宿を発ち、メネルブ(Menerbes)村に立ち寄りました。駐車場のすぐ横にテラスのあるClementineという手頃なレストランがあったので、そこで昼食を食べることにしました。　時間は、１２時過ぎ、店の中に客は誰もいません。　シーズンオフの月曜日だから、空いているんだろうなどと話しながら、75Fの美味しいMenuを、例によって行儀の悪い子供達と分かち合いました。　頑張ってお母さんの手伝いをしようと、前菜のスープを運ぼうとして途中でこぼして台無しにしてしまった１０歳くらいの少女のすすり泣きが調理場の方から聞こえてきたり、店の飼い犬がテーブルの下を駆け回ったりで退屈しませんでした。　　結局、最後まで私たちのほかは誰も客は来ませんでした。

さて、途中で、元気が良くて格好いいマダムが私たちにおもむろに声をかけてきました。

「車大丈夫かい？　トラック運転手のストで道が封鎖されているんだよ。」

「はあ...？」　

「ガソリンがなくなってしまうんだよ。　ガソリンは大丈夫かい？」

「ええ、土曜日に入れました。」（そう言えば、民宿の主人が土曜日の晩にわざわざガソリン入れに出かけてたな。　アプトのガソリンスタンドでは、やたらとen panneの張り紙が目立ったけどあれも関係あったのかな。）

「うちの店は月曜日の昼はお客でごったがえすんだけれど、今日は、みんなガソリンを節約して来ないのね。」

お勘定をして店を出るときにマダムが一言。

「ガソリンに注意しなよ(Mefiez-vous de l'essence.)。」

さて、店を出て、ふと、店を入る前に覗き込んだメニューの掲示板を見ると、さっきは確かになかった「レストランは、３日月曜日から７日金曜日まで休業します」の張り紙がしてありました。　ストの影響で商売にならないと判断したら、臨時休業を即断されたというわけです。

そして、私たちが店を出て１５分もしないうちに、マダムとシェフと少女が店を閉めて出てきて、「今日から臨時バカンスよ」と颯爽とワゴン車で坂道を下っていきました。

かくして私たちは本日このレストランの唯一の客となってしまいました。

やはり高速は、ストによる封鎖の影響が恐いので避け、BonnieuxからLourmarinの大阪・箕面スカイラインに酷似した山道を通り、さらにCadenet、Rognes、Puyricardと県道を通ってAix-en-Provenceに帰りました。

(これはSさんに寄せていただいたコメントです。)

亀井さん、まじめにＦ２見てないといけませんよ！ けさ（日本）の Le Journal はストのニュースばかりでしたね。今回の話しを読んで思い出したのが、阪神大震災の朝起きて散乱している書物を見たときの、潤くんの「悠然と超越した」反応ですね。

（これはSSさんから寄せていただいたコメントです。）

亀井さん 夜遅く電話しましたが，ちょうど３日間のドライブ旅行から帰ったところだったのですね。何も知らずにドライブしていたのですか。　ぼくもパリに日曜日の夕方到着してから忙しくてテレビを見る時間があんまりないので詳しくはニュースをフォローしていませんが，トラックの交通ブロックは去年のこともあるので長引くかも知れないと心配しています。きのう会った人にも，土曜日に帰ると言ったら，この騒ぎの影響がなければいいねと言われました。　エッフェル塔のすぐ下に泊まっているので，夕べは夜遅く３００メートルの高さまで上ってきました。

（これはNさんに寄せていただいたコメントです。）

ガソリンは、去年の教訓からみんな事前？にスタンドに殺到したため、すでにsecなスタンド続出です。ニュースによると、南の方が深刻なようですが、事態はフランス中に広がってます。イタリアへガソリンを入れに行く人も多いみたいですね。今朝のニュースによると、（ニュースによって数字が若干違うのですが）全国で１３０から１４０のbarrageが設けられています。近所のとっても細い道も一応検問まがいのことをやってますので、実際には、かなりのトラックが道を塞いでいるのでしょうね。困ったモンです。

コメントして下さったみなさん、

さっき、金曜日の夕刻、家の近くのガソリンスタンドがどれも一斉に営業を再開して、ついにガソリンを補給できました。　うれしかったです。　実は、ガソリンが残り少ないことを示す赤ランプが点灯していて、もう月曜日の車での通学はあきらめかけていたところだったのです。

子供の学校の送迎と私自身の通学に車が必要不可欠なだけに、冷や汗をかきました。フランスのストのニュースには日本にいるときから慣れていますが、自分の生活にこういう形で影響を及ぼすとは呑気な私は夢にも思っておりませんでした。　反省。

教訓：フランス２のニュースをもっとしっかり見ること。

>>地元のラジオなんかも聴いてますか？

車の中では、France infoをかけっぱなしにしています。　マルセイユなど地元の話がよく出てくるので、プロバンス版のように思います。